木村タカヒロ日記 バックナンバー
日時 | タイトル | 配信数 |
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2018/09/26(水) 09:20 | 【木村タカヒロ日記】Vol. 208 一言で終わる人間関係 | 96 |
2018年9月26日
おはようございます。木村タカヒロです。
20代の頃、最寄駅の近くに、
僕好みのヘアスタイルに仕上げてくれる
男性スタッフばかりの美容院があった。
指名していた美容師は、
技術に加え、会話のセンスもよく、
僕は彼に会えるのを
いつも楽しみにしていた。
通いはじめて3年ほどして、
彼は独立し、隣町に店を構えた。
店の奥には天井から大きな
タペストリーが吊るされており、
僕はそこに絵を描かせてもらった。
当時まだ自分の絵のスタイルは
確立されておらず、いま思うと
かなりお粗末な出来であった。
たぶん彼もそれは感じていたはずだが、
「また気が向いたら描いてよ」
なんていいながら、
ずっとその絵を飾ってくれていた。
絵の学校を卒業し、
美容雑誌の会社に入社してからは、
彼の店を編集部に紹介し、
何度か誌面に登場してもらったりもした。
ある日、いつものように
髪を切ってもらおうと店に行くと、
僕の顔を見るなり彼は、
「あれ、木村くん顔色悪いね〜」と
笑いながら言った。
その瞬間、僕は心のなかで
「もう終わりだね〜」(←オフコース風)
とつぶやいた。
今でこそ、
顔が土色だとか緑色だとか、
目の周りが真っ黒(隈ね)だとか、
顔がシミだらけとか言われても、
「あっそ」と、どこ吹く風なのだが、
当時の僕には許せなかったのだろう。
終わりだね〜のつぶやきのとおり、
美容師との関係はその日で終わった。
僕が店に行かなくなった理由を、
きっと彼は知る由もない。
もしいま彼と会い、
「あのときあなたは僕に暴言をはいた。
だから行かなくなったんですよ」と
理由を伝えても
彼は反省などしないだろう。
べつに暴言じゃないしね。
僕だって、後悔はしていない。
その時はそう思ったんだもの。
仕方ない。
風が吹き、木が倒れた……ようなもの。
人と人は或る日突然、
ひょんなきっかけで惹かれ合う。
そして呆気なく、
いとも簡単に引き裂かれる。
そこに理由なんてない。
すべてはタイミング。
ただの自然現象。
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■木村セレクト今日の一曲☆
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『さよなら』小田和正
https://youtu.be/EckUpmQFyq8
レコード持ってた。
良い一日を!
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