2018年10月18日
おはようございます。木村タカヒロです。
今日はひとりごと風で。
僕は受講生の作品に対しては 基本的に良い箇所を見つけて 褒めるようにしている。
作品全体のクォリティーがイマイチでも、 綺麗な部分が少しでもあれば、 そこを褒める。
それが次に傑作を生むための 小さなキッカケになるかもしれないから。
ひょんなキッカケで個性のカケラを 見つけようものなら、さらに褒めちぎり、 その人のスタイルが確立するように 圧倒的な量を描くように勧める。 (「シリーズ化してみよう」と言う)
ほとんど思考を停止して 圧倒的な量を描きまくれば、 いつか必ず自分のスタイルが見つかる というのは方程式みたいなもので、 僕自身もそうやって個性を発見してきた。
この褒めちぎり作戦は、 自分の絵に無関心で、 かつ向上心がある人に対して効果的だ。
ところが、 向上心に加え、自分の絵にことさらな 思い入れがある人や、自信満々の人には 効力が薄れることがある。
数年前に、こんな人がいた。
「先生、褒めてばかりいないで、 もっと正直に、忌憚のないアドバイスを お願いします。私はクラスの他の人たちとは レベルも意識が違うんです」
その人はもともと絵が上手で、 器用に色んなタッチの絵を 描き分けることができた。 しかしそれらの絵はどれも 誰かの影響を受けたものだった。
それでも僕は褒め戦法を駆使し、 その人の絵のなかに個性を発見した。
スタイルが確立したので、 量産するようにと伝えた。
そのスタイルは唯一無二の個性を 打ち出した作風ではあったが、 すぐに売れそうな タイプの絵ではなかった。
不安だったのだろう。 その人はまた誰かの真似をしだした。
僕は「流行りの絵を真似するよりも、 君の得意なことをやり続けたほうが良い」 と助言したのだが、
「先生は何もわかっていない。 流行りを取り入れないとダメなんです」 と反論してくる。
「じゃあ好きにおやりなさい」となり、 その人は教室を去った。
つい先日も、セッションの際に、 もっと具体的なアドバイスが 欲しいというので、
デッサンの未熟さをカバーする方法として、 「こんなデフォルメをしてみたら?」 という僕の提案に対して、
「そんなデフォルメをしたら下手な人だと 思われないですかね」と返してきた。
思わず、「こう言っちゃなんだけど、 僕はあなたより圧倒的な量の 絵を見てきてるし、人にも教えてきた。 その上で助言しているんですよ」 と口走ってしまった。
「もっと勉強したい」という思いが ありながら、自分の未熟さを 自覚できる人はなかなかいない。
「自己流=事故流」とは言い得て妙だ。
いま、教室のなかで 自分のスタイルを確立した人はみな、 僕の言うことを愚直にやり続けた人だ。
自分に対して無関心になり、 言われたとおりにやり続けることで、 結果的に自分らしさが出てくる。
そりゃそうだ。
だって僕は、その人の絵のなかに、 小さな「個性の種」を見つけたうえで、 「やり続けたほうがいい」 と言ってるのだから、 言われた通りにやり続ければ、 自ずとスタイルは確立する。
というのは、 まあ僕の言い分であってね。
こちらが何を言おうと無視して 唯我独尊でやり切るという 道もありますよ、と付け加える。 これ、ある意味最強だからね。
だとしたら、もう他人の助言を 求めないほうがいい。
つまるところ、 「この人の言うことは無条件に 受け入れる」という素直さか、 「誰の言うこともきかない」 という強さのどちらかなのだろう。
快画塾のときにはいつも、 ホワイトボードに赤色で ハートマークを描いて、 「結局、ココが決め手なんですよ。 素直に実行できるか、なんです」 と伝えている。
簡単なようで難しい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■木村セレクト今日の一曲☆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『さよなら人類』たま https://youtu.be/hw7oAFoddiE また「たま」でやってほしいなあ。
良い一日を!
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