木村タカヒロ日記 バックナンバー
日時 | タイトル | 配信数 |
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2018/04/07(土) 10:10 | 【木村タカヒロ日記】Vol. 36 サヴィニャック展 | 78 |
2018年4月7日
おはようございます。木村タカヒロです。
練馬区立美術館で開催中の
サヴィニャック展を観ました。
サヴィニャックはフランスを代表する
ポスター画家の巨匠ですが、
僕のなかのサヴィニャックは何といっても、
としまえんの「7つのプール」ポスター。
僕はとしまえんのある
西武池袋線沿線に住んでいるので、
会社員だった頃(約30年前)に
通勤電車の中吊りでよく
としまえんの広告を見ていました。
当時は大貫卓也氏が
アートディレクションを担当しており、
「プール冷えています」「五目花火」など、
唸るようなコピーとビジュアルに
いつも驚かされていました。
「次は何がくるのだろう」と
期待がふくらむなかでのサヴィニャック起用。
衝撃的だでした。
サヴィニャック展の感想は
「ほほう、意外に原画は大きいな」とか、
「絵の具はガッシュを使ってるんだ」とか、
「塗りはけっこう雑だなあ」とか。
かなりの点数で見応えはありましたが、
電車の中でみた「7つのプール」が
強く記憶に残っているせいか、
薄暗い美術館のなかで見るサヴィニャックに
なんとなく、収まりの悪さを感じました。
夏の朝の満員電車の、黒い頭の群れの上で、
クーラーの風に揺れながら寝そべるブタ。
その痛快な景色全体が
サヴィニャックの作品なんだよなあ、と。
もともとポスターには
街を往来する人の足を止め、
視線を釘付けにする狙いがあるわけで、
当然サヴィニャックもそこに勝負をかけていたはず。
だから一つ一つの絵が強烈なんですね。
そんな強烈な絵たちが一堂に会すると、
ガチャガチャと騒々しくなってしまいます。
サヴィニャックの偉業を頭で理解するには
良い展覧会でしたが(そもそもそれが目的でしょうが)、
やっぱり、ポスターは街で暴れてナンボでしょ、
なんて思いました。
むかしのフランス人は街で日常的に
サヴィニャックのポスターを散見できたと思うと、
羨ましい。ロートレックも然り。
そういえば、日本の街でも
イラストレーションを起用した格好いいポスターを
とんと見なくなりました。
まあ、もし格好いいポスターが貼ってあったとしても、
スマホを見ていて気付きもしないだろうけど……。
快画ポスター by キムニャック
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