木村タカヒロ日記 バックナンバー
日時 | タイトル | 配信数 |
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2018/04/27(金) 10:00 | 【木村タカヒロ日記】Vol. 56 酔っ払いには近づくな | 83 |
2018年4月27日
おはようございます。木村タカヒロです。
日記の最後に載せてる
「今日の一曲」を探しにYOUTUBEに行くと、
「今日のオススメ」みたいなやつが出てくるので、
つい見てしまって気がつけば30分経過、
なんてことばかり。
昔は、進んで行動しないと情報収集はできなかったが、
今では、うっかり行動してしまうと、
雪崩のように情報が押し寄せ、
ズルズルと自分の時間が飲み込まれてゆく。
昨日も、つい山口達也の記者会見を見てしまった。
問答無用で非は山口にあるが、
酒の恐ろしさを知っている僕には、
いくばくかの同情心もある。
僕の母親は昨年まで、
スナックのママとして40年間働いてきた。
その間、売り上げのためにずっと酒を飲み続けてきた。
母は酒に強いほうではなく、
割とすぐに酔っ払い、最後は記憶をなくす。
朝、家の玄関を開けると、
外で母が寝ていたなんてことは日常茶飯事。
たまに、油性マジックでイタズラ書きされていて、
顔じゅうヒゲだらけだったり、
すね毛がぼーぼーのこともあった。
加齢につれて酔うスピードは早まり、
記憶の飛び具合いも激しくなった。
昨年の、店を畳む直前は、特にすごかった。
夜中に店の女の子から、
「ママの暴走がはじまりました」との連絡が入ると、
僕は急いで出動する。
店に入ると、
裸足でウィスキーのボトルをラッパ飲みする母がいる。
母は僕に気づくと、怖い顔でどなる。
「誰だお前は!」
「俺は息子だ。さあ、帰ろう」と腕をつかむと、
「あたしの息子はこんなブサイクじゃないよ!」と暴れる。
僕は両手で羽交い締めにする。
「何すんだ!やめろ!はなせ!」と激しく抵抗する母。
なんとかタクシーに乗せるも、
「降ろせー!」と車内で大暴れ。
カーブする度に転がってドアに頭をぶつける。
家に着き、タクシーを降りる。
「店に戻るんだ!タクシーを呼べ!」
午前2時、近所中に母の怒号が響き渡る。
僕は相撲の寄り切りみたいなかんじで母を部屋に入れ、
最後は蹴飛ばして、ベットに寝かす。
翌日、母に電話をしてみる。
僕「きのう、店はどうだった?」
母「ん?いつもどおりだよ」
僕「どうやって帰ってきた?」
母「ん?タクシーだよ。なんで?」
忘却……。
僕「そりゃよかった」
たまには母を攻め立てることもあった。
しかし、母にしてみれば、全く記憶がないので、
濡れ衣を着せられた感覚になるようだ。
僕もだんだんと、
別人格(いや無人格)がやったことを攻めても
のれんに腕押しだと気づく。
どちらも後味が悪い。
となると最善策はただひとつ。
「酔っ払いには近づくな」
あ、それでお客が近づかなくなったのか……。
35歳から75歳まで働き(飲み)続けた母。
酒に溺れようが暴れようが、
天晴れ!なんだけど。
『TOKIO』沢田研二
https://youtu.be/YWd-g_I-jKs
衣装デザインは早川タケジさん。
僕が通っていた絵の学校(セツ)の先輩。
良い一日を!