木村タカヒロ日記 バックナンバー
日時 | タイトル | 配信数 |
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2019/10/19(土) 10:20 | 【木村タカヒロ日記】Vol. 595 一周忌 | 134 |
2019年10月19日
おはようございます。木村タカヒロです。
父・木村圭市郎が亡くなって一年経った。
ここ数日間は、もうすぐやってくる
「あの瞬間」の
カウントダウンをしているようで、
ずっと胸がざわついていた。
ちょうど一年前の早朝に、
父はベッドに横たわりながら、
眠るように、逝った。
前日までいつもと変わらず、
朝、母が父の部屋に様子を見に行くと、
すでに息がなかった。
朝の散歩をしようと僕が家を出ると、
向こうから血相を変えた母が走ってきた。
「パパが起きないの」
一緒に家に行き、父の姿を見て、
すぐに死んでいるとわかった。
あのときの僕は、
不思議とあまり動揺はなかった。
突然すぎて実感が
わかなかったのかもしれない。
あるいは、あまりのショックに
現実逃避をしていたのかもしれない。
「もうすぐあの日がやってくる」
こんな緊張を一年後に味わうなんて、
想像していなかった。
父は亡くなる二年前に
原因不明のめまいで倒れ、
それ以来一人で歩けなくなり、
入退院を繰り返しながら、
寝たきりの生活を送った。
体の衰えと同調するように
精神的にも弱っていき、
それまで聞いたことのなかった
弱音をはくようになった。
はじめて見る父の
不安に怯える姿、
涙を流す姿。
亡くなる数ヶ月前、
入院中の父を見舞い、
別れ際にいつものように
「じゃあまた」と握手をすると、
父は半べそをかきながら弱々しく
「このまま死んじゃうのかな」
と吐露した。
すぐさま僕は、
「誰だっていつかは死ぬんだ。
死んだっていいじゃないか。
覚悟しろ。死ぬ気で生きろ」と、
怒り混じりに言った。
自分自身に向かって
「言ったからにはオマエも覚悟しろよ」
と心のなかでつぶやきながら。
こんな調子で僕は、
父に対していつも強い口調で
語りかけていた。
そして、もし父が死んでも
そんな態度で接したことを
あとで絶対後悔しないようにしようと、
自分に言い聞かせていた。
その甲斐あってか、亡くなったあとも、
わりと平気でいられた。
それなのに、一周忌が近づくにつれ、
後悔の念がとめどなく溢れてきて、
抑えることができなくなってしまった。
もっと優しくすればよかった。
もっと話を聞いてあげればよかった。
もっとリハビリを手伝ってあげればよかった。
もっと手を握り励ましてあげればよかった。
もっと、もっと……。
きっと、この一年間はそんな感情に
無理やり蓋をしていたんだと思う。
それが最近になって一気に出てきた。
そして気持ちが楽になった。
後悔しないようにと緊張していた自分も、
後悔して落ち込む自分も、
すべて認め、許すことにしよう。
風の吹くまま感情の揺れるがままに。
秋はもともと好きな季節だ。
少し冷たい風、澄んだ空気、高い空、
そしてもの悲しさ。
今秋は、もの悲しさが際立つ。
もっと、秋が好きになりそうだ。
■木村セレクト今日の一曲☆
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『カントリーロード』オリビアニュートンジョン
https://youtu.be/geB6pudWpBA
父の車でよく聴いた
良い週末を!
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