木村タカヒロ日記 バックナンバー
日時 | タイトル | 配信数 |
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2019/11/12(火) 15:40 | 【木村タカヒロ日記】Vol. 619 映画「ジョーカー」 | 136 |
2019年11月12日
先日、非常勤で通っている神戸の大学で、
20代の助手の女性と食堂でお昼を食べながら
映画「ジョーカー」の話になり、
彼女は主人公が3人の男を
殺害したあとに踊るシーンがカタルシスで、
2回鑑賞したと語っていた。
僕はどうかというと、
たしかに映像の美しさは
目を見張るものがあったし、
物語も良く出来ていたのだけど、
カタルシスはなく、
上映中、ずっと「おっかねー」
と思いながら観てた。
リアル過ぎて怖い。
本当にありそう。
ギリギリの選択を強いられた状況下で
切羽詰まって止むを得ず起こした
行動の是非を問われているようで、
そこを問いかけるのは意地悪だなあ、
しかも映像美を絡めつつ確信犯で。
なんて思ってしまった。
「わかるけどさあ、いいよもう」と
目を背けたくなる。
タランティーノの映画が好きなのは、
暴力シーンが度を越えていて笑えるところ。
リアリティーよりも映画としての
面白さを優先しているところ。
以前のキムラ日記で、
タランティーノの映画パンフレットにあった、
評論家の「甘いハッピーエンドの裏に
悲劇があったことを忘れないでほしい」
という一文に興ざめしたと書いた。
タランティーノは自身の映画で
ハリウッド女優が殺害された実話を
伝えることを意図したのではなく、
エンターテイメントの材料として
史実を取り入れたのだと思う。
だから評論家の「忘れないでほしい」には
いやいや、娯楽映画なんだからさあ。
とつっこみたくなる。
史実を娯楽映画の材料にしつつも、
そこに映画製作者としての
復讐心、矜持を込める。
じつに軽妙洒脱に。
2枚目ハリウッドスター二人が
こてんぱんに犯人をやっつける。
「ざまーみろ、シャロン(女優)は
死んじゃいねーよ、バーカ」みたいな。
痛快だ。
やっつけかたが尋常じゃない。
ガスバーナーで丸焼きにするとか笑。
リアリティーを欠いてる。
だから陰湿にならない。笑える。
映画っていいなあと思う。
現実に目を向けさせるための映画もあれば、
現実を忘れさせてくれる映画もある。
僕は後者が好みだ。
ジョーカーは傑作ではあるけど、
現実感がありすぎて重かった。
では良い一日を!
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