木村タカヒロ日記 バックナンバー
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2020/01/17(金) 13:00 | 【木村タカヒロ日記】Vol. 685 代打キムラ38歳(2003)DNA | 136 |
2020年1月17日
こんにちは。木村タカヒロです。
代打キムラ38歳時HP日記の続きです。
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2003年4月24日
顔面画でイラストレーターとしてスタートした僕は、
いきなり壁にぶつかりました。
顔面の下にくっつける胴体がまるで描けないのです。
イラストの仕事は、
発注者の注文に応えなければいけません。
当然「全身でお願いします」という
リクエストもあるわけですが、
いくら描いても顔面が主張しすぎてしまい、
うまくいきませんでした。
いや、単なる技術不足だったのでしょう。
本当にへたくそでした。
だからといって、苦手なことを
克服するための努力は苦手なので、
さてどうしよう、と困っていた頃に、
コラージュと出会いました。
コラージュは、
下手なデッサンの代替手法というよりは、
「絵」として深めていく価値の
あるもののように思いましたし、
何より、創っていて楽しかったので、
以来ずっと続けることになります。
はじめた当初は、やはり技術に甘さがあり、
全身となると、フォルムを形成するのに
ひと苦労しましたが、イラストの仕事は、
コラージュという技法の面白さで、
どうにかお茶を濁していました。
何年もやっていると、コラージュ制作にも慣れ、
だんだんと自分らしいフォルムが出来、
あれだけ苦手だった全身像も、
自然と作れるようになってきました。
自分が美しいと思える人間の身体のラインを
表現することが可能になってきたのです。
そこで、はたと気付きました。
「これ、タイガーマスクじゃないか」と。
シャープなライン、盛上がった筋肉、
身体のうねりなどが、どうも似ているんです。
タイガーマスクは幼少の頃見て以来、
一度も見たことはなかったし、
父の描いた絵もずっと見ていなかったのですが、
顔面画からスタートし、数年後に辿りついた、
僕にとってしっくりくる全身像が、
タイガーマスクだったのです。
そして改めて父の描いたデッサンを見てみると、
「ものすごくウマイ」ということがわかりました。
それまで、身近にいたことと、
作品よりも本人のインパクトが強かったことと、
ハチャメチャな素行のせいで、
ほとんど父の描く絵に関心が及ばなかったのですが、
よく見たら、父の描く線は僕の好みだし、
フォルムも僕の好みのでした。
その好みとは、実は父の好みでもあり、
もともと僕の中にあったであろう
父の美意識なのかもしれない、と思いました。
僕は父の仕事に関心のないところから絵をスタートし、
父とは関係なくオリジナリティーを
模索してきたつもりでいましたが、
ぐるりとひとまわりして、
やはり父とは無関係でないな、
ということがわかったのです。
つづく。
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良い一日を!
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