木村タカヒロ日記 バックナンバー
日時 | タイトル | 配信数 |
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2020/05/27(水) 13:30 | 【木村タカヒロ日記】Vol. 816 木村工房物語6「未完成」 | 143 |
2020年5月27日
こんにちは。木村タカヒロです。
昨日の続きです。
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GYAOアニメ第一話の
締め切り前日に、
プロデューサーや演出家など
関係者が工房に集まり、
アニメのプレビュー会が
行われることになっていた。
女子スタッフの奮闘もあり、
ギリギリ間に合いそうな
ところまできていた。
一点、気がかりだったのは、
男子スタッフの一人に
預けていたパートだった。
徹夜が続いたあと
彼はいったん帰宅し、
電車の移動時間が
もったいないので、
家で作業するといって
数日間工房に来ずに、
そのパートを
抱えたままになっていた。
当時すでにスカイプを導入しており、
遠隔でチェックすることも
可能だったので、
何度か見せてもらおうとしたのだが、
絶対間に合わせるので集中させてほしい
ということだったので、放っておいた。
そのパートはある程度の尺があったので、
若干心配もあったが、
ここで集中力を途切れさせるよりは、
彼の言葉を信じることにした。
しかし、この判断が甘かった。
プレビュー当日の昼ごろに
工房にやってきた彼は、
そのまま自分の机につき、
パソコンで作業をはじめた。
部屋には彼と僕の二人きりだった。
何も言ってこないので、
僕は彼のところにいき、
「やったんだろ。見せて」と言った。
彼は黙ってアニメを再生した。
ほとんど何も出来ていなかった。
僕は驚いて、彼に言った。
「出来ないのは仕方ない。
なぜ今まで黙っていたんだ」
彼は「すいません」とあやまり、
机に突っ伏して泣きはじめた。
チームワークの難しさを痛感した。
夜のプレビュー会では、
平謝りするしかなかった。
「出来なかったって、どういうこと?」
関係者はみな呆れていた。
「どうしましょうか」
プロデューサーが言った。
未完成部分の分量からして、
翌日の納品に間に合わせるのは無理だ。
GYAOのキムスネイクアニメは、
以前、別の番組で
制作したアニメの続きのストーリー
という設定だったこともあり、
演出家と相談した結果、
そのときの動画を前半パートに
流用して尺をもたせよう
ということになった。
それまでイラストの仕事を含め、
締め切りを守らなかったことは
一度もなかったので
「こんなことが本当に起こるんだ」と、
人ごとのように感じた。
しかし、思い返してみると、
一人でアニメを制作していたときだって
徹夜の連続で、いつもギリギリ
納品に間に合わせ、そのあとぶっ倒れる
というやり方をしていたのだった。
このときも「最後は何とかなる」と
たかをくくっていたのかもしれない。
共同作業でそれは通用しないとわかった。
8月のキックオフから一ヶ月。
嵐のような日々であった。
つづく
ーーーーーーーーーー
良い一日を!
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