木村タカヒロ日記 バックナンバー
日時 | タイトル | 配信数 |
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2018/03/11(日) 09:40 | 【木村タカヒロ日記】Vol. 9 タップチップスとキス | 42 |
2018年3月11日
タップダンスといえば、
倉本聰原作のTVドラマ
『昨日、悲別で』(1984)の劇中で
ダンサー志望の天宮良は「タップチップス」
という店でウエイターをやりながら、
ショータイムでタップを踊っていた。
当時タップチップスは、
赤坂に実在しており(ホテルニューオータニ内)、
ドラッグクイーンの店員たちが
歌やタップのショーを披露していた。
その情報を入手するやいなや、
僕はタップチップスに行った。
ショータイムがはじまると、
大柄の出演者たちに混じって
一人だけしなやかに歌い踊る
スレンダーな人を発見した。
僕の視線は彼(彼女か?)に釘付けになり、
ショーの間じゅう、その人ばかりを見ていた。
シャープなアゴのライン、
切れながの目、
腫れぼったい唇。
顔の造形も好みであった。
それから約5年後、会社員になった僕は、
上司に連れられて、オカマのママが経営する
六本木のレストランに行った。
「いらっしゃいませ〜」とオーダーをとりにきた
店員の顔を見た瞬間、その人がタップチップスの
スレンダーの彼(彼女?)だと、すぐにわかった。
僕「むかし、タップチップスにいましたよね?」
彼(彼女?)「アラ、なんで知ってるの?」
僕「ショーで目立ってたんで」
彼(彼女?)「マジ〜?うれし〜」
その店は店員と一緒にお酒を飲む店ではなかったので、
普通に上司と飲み食いして、お開きとなった。
会計の際、彼(彼女?)は「また来てね♡」
と言って僕の口にキスをした。
僕は緊張のあまり声を失い、
口パク気味に「はい、また来ます」と答えると、
「つぎはベッドのなかでタップ教えてあげるね。ふふふ」
といたずらな笑みを浮かべて彼女(彼?)は言った。
「お〜木村〜やったじゃん〜ひゅーひゅー」
と冷やかす上司を無視して、足早に店を出た。
その夜は高揚して眠れなかった(と思う)。
■
できたてほやほや大島椿展コラージュ。
今日は市ヶ谷で快画塾。
楽しい一日を!
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